Ferrari Festival Tokyo 2026【後編】
跳ね馬の祭典
前回に続き、六本木の東京ミッドタウン・ガーデンエリアで開催された「Ferrari Festival Tokyo 2026」のレポートをいたします。【前編】では現行の市販車両をメインとしましたが、今回の【後編】では歴代のスペチアーレやレーシングカーを紹介していきます。
<【前編】の記事はこちら>
モンツァSP1
フェラーリの歴史的なレーシングカーを再解釈した「イーコナ」(Icona)シリーズの1台。エンジンはフロントミッドに、812スーパーファストの6.5リッターV型12気筒エンジンを搭載しています。フロントガラスが無く且つ助手席が無い1人乗りで、非常にスパルタンなモデルとなっています。ちなみに本モデルと同時に発表されたモンツァSP2は2人乗りになっています。生産台数はSP1とSP2との合計でわずか499台しか生産されておらず、フェラーリの優良顧客のみに販売されました。

デイトナSP3
上述の「イーコナ」(Icona)シリーズ第3弾として登場したのがこのデイトナSP3です。812コンペティツィオーネのエンジンが搭載されつつも、最高出力は10PSアップされています。599台の限定生産で、SP1・SP2と同様にフェラーリの優良顧客のみに販売され、早期に完売しました。

そして、なんと歴代スペチアーレが3台も展示されていました!
F40
もはや説明不要とも言えるほどで、フェラーリ創立40周年を記念して製作されたスペチアーレ。ピニンファリーナがボディデザインを手掛けており、フェラーリの創始者であるエンツォ・フェラーリが存命中の最後のモデルでした。このF40には興味深いエピソードがあり、400台限定で発売する予定があまりの人気の高さから生産数を増やし、約1,300台が生産されました。それが皮肉にも中古車市場にF40が出回ることに繋がり、スペチアーレの存在意義が薄れてしまったと言われてます。

F50
フェラーリ創立50周年を記念して製作され、「公道を走るF1」と称されるほどF1テクノロジー満載の特別仕様車。F40での教訓を生かして生産台数はわずか349台に制限され、フェラーリの優良顧客を対象に販売されました。中途半端な生産台数は、創業者エンツォ・フェラーリの「売れる数より1台少なく作る」の言葉からで、これ以降フェラーリのブランド価値を高めることに繋がっていきました。

エンツォフェラーリ
フェラーリ創業55周年を記念に製作されたスペチアーレ。車名には創業者エンツォ・フェラーリの名前がそのまま使用されました。デザインは日本人カーデザイナーの奥山清行氏(ケン・オクヤマ)によるもので、フロントノーズはF1マシンがイメージされ、フェラーリでは珍しいバタフライドアを採用しています。当初349台の限定生産と発表されましたが、50台追加されて結果399台が生産されました。1台少なく作るという意思がここでも反映されています。

モータースポーツをメインとしたエリアに移動すると、象徴的な3台が並んでいました。
499P
フェラーリがFIA 世界耐久選手権(WEC)のトップカテゴリー「ル・マン・ハイパーカー」参戦用に開発した車両です。展示されている51号車は、100周年記念となる2023年のル・マン24時間レースで優勝という成績を収めました。

SF-26
2026年にスクーデリア・フェラーリがF1世界選手権に参戦しているF1カー。展示車両の16号車は、フェラーリのエースドライバー、シャルル・ルクレールがドライブします。


F80
フェラーリ創立80周年を記念して製作された最新のスペチアーレ。3リッターV6エンジンに同社初の電動ターボと3基のモーターが組み合わされ、システム最高出力1,200PSを発生します。世界限定799台となっていますが、すでに予約完売とのことです。


前後編で2回に渡り、全17台のフェラーリをご紹介しました。この17台は予約をすれば誰でも入場して見ることができますが、フェラーリ初のBEVであるルーチェのみ招待客限定のクローズドスペースに展示されていたので、残念ながら筆者は拝見できませんでした。
フェラーリの魅力が十分伝わるイベントでとても満足はしましたが、非常に残念な点もありました。イベント開催期間中に、筆者は本イベントに二度訪問することになりました。なぜなら一度目の訪問時は雨が降っていたために展示車両の大半にカバーが掛かっており、クルマをほとんど見ることができなかったからです。希少な車両ばかりなので、雨に濡らすこともできないのは理解します。ですが、屋外イベントにも関わらず、雨の対策を何も行っていなかったことが非常に残念で、来場者に対しての配慮に欠けていると感じました。運悪く開催時の9月は記録的な多雨となり、筆者と同じような体験をした方も多かったようです。もし次回も行われるのであれば、来場者が満足できるようなイベントとして開催してほしいと思います。

